2015年11月01日

第43号【1】 「SF10周年の次の一歩」

「SF10周年の次の一歩」
青木安輝 (株式会社ソリューションフォーカス代表取締役)
この記事は、株式会社ソリューションフォーカスが創立10周年を越えたところで、来年以降どのような展開を目指すのかに関して、現時点での私の思いを皆様にお伝えするために書かせていただきました。
内容: 1. 『研究開発』に力を入れたいという思い
2. 企業向けプログラムについて
3. 公開プログラムについて
<『研究開発』に力を入れたいという思い>

今年は株式会社ソリューションフォーカス創立10周年でした。私たちはこの10年の間に、もともと面談技法として開発された解決志向アプローチ(SFA)の活用領域を組織内のコミュニケーション活性化等に広げるための連携運動である欧州のSOL Worldの流れに沿い、様々な企業や行政組織向けにソリューションフォーカス(SF)の応用プログラムを提供してきました。

また一般公開のSF学習セミナーを定期的に開催し、SFコミュニケーションの普及につとめ、数多くの皆様からのご支持を得ることができました。特に8年続けてきた「日本ソリューションフォーカス活用事例共有大会(J-SOL)」には、組織活性化を目指す様々な企業チーム、コーチやコンサルタント、医療や教育現場の専門職、海外からのゲストソリューショニストたちが集い、学び合う場として大変好評を得てきました。ご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。

これからもそのまま従来のSFプログラムを提供して行くことは可能ですし、実際に研修事業等はむしろ拡大する部分もありますが、私としてはさらなる飛躍的進化を求めて、来年以降しばらく研究開発に力を注ぐ比重を増やしたいという思いがこの10周年イヤーを過ごす中で強くなってきました。

SFAの開発者である故スティーブ・ディシェーザー氏が「SFAは完成からほど遠く、まだまだ研究開発を重ねていく必要がある」という言葉を残したことをブルガリアの友人プラーメン・パナヨトフ博士が最近教えてくれました。そもそも面談技法に完成形があり得るのかどうかは別として、開発者でさえそのようにとらえていたノウハウをさらに応用範囲を広げて、人と人が関わるあらゆる局面で活用する技術として扱ってきたわけですから、SFの「未」完成度は一層高いと言えます。人と人が関わる中でSFの本質的な有効性が活かされることは体験的には実証済であっても、組織開発という文脈でそれを記述する新しい体系は完成どころか、未だに未着手に近い状態であると私は認識しています。

パナヨトフ博士と出会った2012年のEBTA(欧州ブリーフセラピー協会)大会で、私は「SFの専門性を日常の会話に溶かし込む」というタイトルの講演をさせてもらいました。組織内の様々な場面でSFが活用される場合に、一つのものの言い方でその場の意味文脈が変化する数多くの事例にJ-SOLやSFフォーラム等の事例共有の場で接したことで、SFの効果性は、必ずしもカウンセリングやコーチングのように時間をかけた面談セッションの中でだけ発現するものではなく、日常の様々な場面で対話の重要なターニングポイントを創り出す可能性があることに注目するようになりました。講演はその重要性を言語化する試みでした。SF要素はさりげなく日常会話に溶かし込むことが可能で、効果的で前向きな対話を自然にしていると感じられるようなソリューショントーク、ちょっとしたやりとりの中でポジティブなエネルギーを増幅するパワーフレーズ等を誰でも実践できるようにするコミュニケーション技術体系として新たに創り上げる可能性を探ろうと呼びかけたのです。

同年英国オクスフォードで開催されたSOL2012においても、木内敬太氏(現在東北大学医学部大学院)らと共同開発したGSFAS(解決志向度スケール)について分科会を持ち、集団の中でSF的思考やSF的コミュニケーションの割合が多いことと「他者尊重」,「居場所感」,「自発行動」,「楽観志向」,「活性交流」等の要素が関係あることを発表しました。

しかし、これらの成果を総合的にまとめて組織開発の現場で応用可能にするための枠組みづくりが整備不足で、スケーリングで言えば私の感覚ではまだ「3」程度です。これは非常にもどかしいことであります。現在のままのSFセミナー(研修)でも、受講していただいた皆さんがコミュニケーション上の成果を創り出してくださっていますが、より汎用性が高く組織的な応用が可能になる方向でSF体系をまとめ直すことができれば、今まで以上に組織活性化を可能にすることができるはずです。その道筋は見えてきています。

企業にストレスチェックが義務づけられたり、自治体が職員の能力開発を目的とした人事評価や面談を義務づけられたりする流れは。組織内のコミュニケーションがより人間性に沿ったものであることが要請されていることを示しています。今の時代はソリューションフォーカス的な技術が求められており、SFが貢献できる領域はとても広く、そのポテンシャルは私たちの想像以上のような気がします。より効果的なSF応用フレームを開発するための時間的および精神的余裕を自分に与えて、今よりもずっと多くの人にとって使いやすいSF組織開発技法を開発することができれば、そのポテンシャルが現実化する・・・、その可能性を信じたいと思います。SFをさらに使い勝手の良い体系として組み直すために、来年以降しばらくは研究開発により多くの時間とエネルギーを注ぎます!

<企業向けプログラムについて>

企業向けプログラムは来年度も従来通り実施していきますが、今号のニュースメール冒頭で紹介したような、特定の課題への対応をするために現場の担当者の方たちと協働して解決構築していくような継続的関わりをより重要視したいと考えています。

研修が一回性のものであれば、そこで伝えられるのは一般的なSFのノウハウになってしまいますが、継続的な関わりを持たせていただく中で、その現場の特殊性に合った形でSFを溶け込ませていくことができれば、より浸透性が高くなります。そしてそういうプロセスを積み重ねていくことで蓄積されるノウハウが「研究開発」の質を高めます。

これまで「SFのモデル職場づくり」や「特定目的の面談ガイドラインづくり」等、長い期間のおつきあいをさせていただいた現場では、そこから新たに生まれる知恵が共有されることで、そこに関わる多くの方たちに充実感と成果をもたらしてきました。そのようなサービス提供の現場を増やすために、「SFスーパービジョン」というプログラムに力をいれたいと思います。詳細はホームページで「組織向けサービス」のページを改訂する中で、紹介していきます。

これからは、研修という形でいただいたご依頼に対しても、積極的に「SFスーパービジョン」的なプログラム展開ができる可能性をご提示していきたいと考えています。既に存在しているノウハウをあてはめるだけではなく、その現場からしか生まれない知恵を生み出すオーダーメードのプログラムを協働作業の中でつくりだしていくことが、私たちが持っているSF活用の知恵をもっとも効果的に活かすことになります。結果として、その現場にいる人々の力を引き出す可能性が高まります。

企業・組織向けにどのようなプログラムが可能かについては個別の案件毎に変わってきますので、ご関心のおありになる方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
★問い合わせ先:info@solutionfocus.jp 青木まで

<公開プログラムについて>

「SFアカデミア」というブランドで提供してきた様々なセミナーやワークショップについては、研究開発に時間とエネルギーを注ぐために、一旦数と種類を減らすことになります。

既に日程が公開されている「SFベーシック」&「SFフォーラム」に関しては、予定通り実施いたしますが、それ以降は開催する予定はありません。現在の内容の「SFベーシック」をご受講希望の方は、下記ホームページに掲載されている来年3月までの開催予定をご確認の上、お申込みください。

但し、受講者を集めた場に講師を派遣する形式であれば、「ソリューションフォーカス入門」セミナーを開催することは可能です。仲間を集めてSFを学びたいというご要望があれば、可能な限りそれを実現するようご相談に応じたいと思いますので、お問い合わせください。
★問い合わせ先:info@solutionfocus.jp 青木まで

「研究開発」を強化することで、その過程で生まれたものを提供するための単発ワークショップは増える可能性があります。「研究開発」の内容に関心を持っていただける皆様と、そのプロセスや成果を分かち合うための機会として提供されるので、計画的に前もってお知らせするというよりは、研究プロセスに応じて突発的に募集をすることになるでしょう。

「SFニュース」も「SFメーリングリスト」も継続しますが、今まで毎月1日に発信してきた定期発信「SFニュース」は12月号を最後にして、不定期発信に変更となります。その他ここに書かれていないことは基本的に検討中ですが、12月1日号のニュースでさらに詳しくお知らせする予定です。

これからしばらくは、当社が一層の飛躍を期して、その準備をするための期間となることに対して、何とぞご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。そしてその先に生み出されるであろう「新」ソリューションフォーカス応用体系に期待していただきたいと思います。

最後までお読みくださってありがとうございました。

株式会社ソリューションフォーカス by 青木安輝
posted by 株式会社ソリューションフォーカス at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ
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