2015年11月01日

第43号【4】 SFアート・ラボ第七弾レポート

SFアカデミア SFアカデミアは「SFコミュニケーション」に関する
学習と実践を促す学び合いの場です。
SFアート・ラボ第七弾レポート by 小野友之(SFアーティストクラブ)
「体育会系SFの組織作り LIVEトーク!」
10月4日(日)13:30〜16:30 京都テルサ
ゲスト:豊村博明さん with Y部長
司会:青木安輝

みなさんがよく利用するガソリンスタンドは、どんなガソリンスタンドでしょうか?セルフですか、それとも店員さんが対応してくれるところですか。元気なお兄さんのはきはきした接客や、給油中の様々なセールストークを思い出す人もいるかもしれません。みなさんは普段どんな基準でガソリンスタンドを選んでいるでしょうか。

さて、今回のアートラボは、数店舗のガソリンスタンドを経営しているA社が話の舞台です。

冒頭、青木さんからSFアカデミアの基本理念について確認がありました。

アート・ラボの様子
【SFアカデミア 基本理念】
活かし合う力を高める
《SFアカデミア・クリード》
自分と他者を尊重し、互いを認め合う
多様な個性を活かし、違いから学び合う
メンバーが「想い」を実現する事を応援し合う
《SFアカデミア ミッション》
“SF inside”な人と組織を増やす

参加者一同,今日のこの場をどんな時間にしたいか,思いを確認しました。

そしてスケジュールは,次の通りでした。

  1. 参加者 自己紹介
  2. 豊村さんのレポート「体育会系SFの組織づくり」を読んだ感想&質問
  3. A社の現状紹介―店長さんたちのリソースゴシップ録音資料使用
  4. フューチャーゴシップ「未来の明るいA社はこのように展開していく!」
  5. 感想シェアリング
―SFと“体育会系”コミュニケーションの融合−

今回のアートラボは、“体育会系SFの組織作り”というレポートをSF実践コースで書かれた豊村さんとその中に登場するY部長がゲストで、事前にレポートを読んだ参加者と自由に意見交換をし合うという企画でした。

Y部長と豊村さん

豊村さんはS石油から販売会社であるA社に管理部長として出向中です。着任早々厳しい言葉が飛び交う“未達成会議”に衝撃を受けます。しかし、厳しい言葉の中にも部下を思いやる熱く強い思いを感じさせるY部長の関わりに,ここにSFの要素が入ったらさらに強い組織になるのではないかと直感しました。

そして、SFの良さと“体育会系”と形容される厳しい雰囲気のコミュニケーション文化を融合させて新しい組織文化を築く試みを始め、様々なご苦労を重ねていく様子がレポートには書かれています。その中での成功や失敗に関して、豊村さんとY部長に参加者が思い思いの角度から質問するという形でLIVEトークは進んでいきました。

―ソリューショニストと“体育会系”の最初の出会い−

SF本を1ページ読んで血が逆流しそうになった!

“未達成会議”の後、「できているところを認め、褒めていくことにも取り組んでいこう」という豊村さんの話を聞いて、Y部長は驚きました。業界で“鬼”と呼ばれたY部長には、目標未達成なのに「ほめる」ところを見つけるなどということは想像すらできませんでした。お互いに愛読書を交換することになり、豊村さんから渡された『解決志向の実践マネジメント』は、Y部長にとっては「1ページ読んだだけで血が逆流しそうになった」と言うほど、新鮮ではあっても大きな違和感を伴うものだったそうです。

逆に豊村さんは、Y部長の愛読書が「鬼上司の・・・」や「軍隊から学ぶ・・・」というタイトルのものが多いことに衝撃を受け、「ガツンと型にはめて統率していく」「90%叱り続けて、残りの10%で認めていく」等の文言に驚き、Y部長が「ほめて伸びるのはもともと才能あるヤツ」とか「仕事でがんばるのは当たり前(だからホメない)」などの表現をする本になった考え方の源流を知ることになりました。

しかし、今までと同じやり方を続けていては、厳しい状況を生き残ることができないという危機感から新しい組織のあり方を模索するために協力し合っていこうという連帯感をしっかり築くことができたのは、基本的に人への敬意を大切にするお二人であったからではないでしょうか。

―二人三脚の歩み−

豊村さんは、ガソリンという「製品による差別化ができない」商品を売る業態において業績を上げていくには、人間力しかないと考えていました。A社は大変厳しい業界の中で生き残ってきたわけだから、その組織文化にも良いところがあるはずと考え、Y部長が推進してきた体育会系の良さは壊さないようにするために、店長への指示は必ずY部長を通して行うことを徹底しました。また店舗情報は二人の間では全て共有することにしました。

豊村さん
そして、そんな中でSF要素を導入していくために、「人を認めていく」ことや「小さな変化を見逃さない」ことを大切にしようとしました。店長会議で「SFタイム」をつくり、「うまくいったこと」や「部下の良いところ」などを発表させることで、ポジティブな視点を持つことを促したり、なるべく現場でスタッフとこまめに話をするようにしたそうです。

さらに、店長に「自分の店舗のフューチャーパーフェクトを描いて紹介する」とか、「それをどこまで達成できているかのスケーリングをして、スモールステップを具体的に話し合う」などのワークに取り組んでもらいました。最初のうちはぎこちなかった店長たちも段々と人の成長を喜ぶことを素直に表現するようになったようです。会議で部下の良いところを発表する店長に対して他の店長たちがリソースゴシップ(良い噂話)をする様子を録音したものを豊村さんが聞かせてくれましたが、部下を成長させるために良いところを認める姿勢を大事にする様子、そしてその姿勢をさらに店長同士で認め合うことがかなり浸透している様子がうかがえました!

グループのガソリンスタンド7店舗
○店長ほか従業員は平均5人
・正社員2.5人
・アルバイト2.5人
店舗の構成
 

店長を飛び越えてY部長に認められたい社員・・・

90%叱り続ける“体育会系”マネジメントをしていたY部長。自分の中に理想があり、うまくいっていないところを見逃したり、1回緩めたりしてしまうと、坂をころげ落ちるようにどんどん悪くなってしまうのではないかという恐怖心があったとのこと。だからものすごいエネルギーを使って引き締めようとしていたそうです。

そんなY部長が豊村さんと関わる内に、気になってきたことがあったそうです。それは従業員の多くが 店長を飛び越えて直接Y部長の顔色をうかがったり、Y部長に認めてもらおうとするようになってしまっているのではないかという懸念でした。そして、叱られないようにしようとする発想で仕事をしたり、Y部長に認められないと会社への愛着が持ちにくくなっていたり、結局自ら工夫をすることなく言われたことだけやるような体質になっているのではないかと、現状を見るようになっていったそうです。

認めることは大事なんや!

スタッフ一人一人が自発性を発揮し、店長を中心にスタンドがまとまってチームとして仕事をして欲しい。そんな思いをもつY部長だったのに、豊村さんとタッグを組んだ当初は、「ほめる」ことに納得がいかず、「よいしょ」する感じや「調子を合わせる」感じがして嫌だったそうです。しかし色々な試行錯誤を重ねる中で「認める」という言葉に言い換えてから肚に落ちたそうです。

みんな頑張って仕事をしている。おべんちゃらは言いたくないが、本人にその努力や成果を発表させて、それを皆でねぎらうことならできると思うようになり、以前は良いところが見つかりにくかったのに、だんだんと認めるところが探せるようになってきたそうです。だが、まだ自分が個人的に褒めるのは照れくさいので、よかったことや成績などを皆で褒める場をなるべく多く作るようになったとのこと。

Y部長は「今、自分の仕事の一つは、認めてあげられる材料や場を作ること」とおっしゃいました。認め合う職場だと、スタッフは学んだことを楽しみながら仕事を覚えるようになるようです。業界の研修会でも「認めてあげる場を作ることで人材は育つ」という発表を聞き、Y部長は「認める場を定期的に作る」ことを大事にしていく方針を掲げるようになってきました。

小さな変化を見逃すな

アート・ラボの様子

人間力を大切にしている豊村さんが、店長会議で行ったリソースゴシップのやり方です。発表テーマは、自分の部下の成長した点。各店長が5分発表したら、他の店長たちに背中を見せます。そして他の店長たちはその背中に向けて「良いうわさ話」をします。

店長が発表するポイントは5つ。①どんな変化があったか。②どうやってその変化が起こったか。③大きく変わったきっかけは。④店長が心がけている関わりは。⑤次のステップアップのためにどんな変化を促すか。

違う店舗の店長同士が、自分の部下のよい変化についてシェアし合う中で、部下の成長を確かめ合うとともに、店長としての部下への関わりについてレパートリーを増やすことができているようでした。

「体育会系 vs SF」ではなく、体育会系 MEETS SF

最後にお互いの良さを認め合いながら、関わり続けることの価値が確認されました。

大変な思いをしている時「体育会系」で親身になって強いリーダーシップで関わり続けてくれるY部長がいるおかげで、頑張れたという声が確かにあるし、起こしてはならない事故や仕事のミスなどへの注意を高め、予防していくためにもこれまでのY部長のあり方は大切であるということ。

また、SFに出会ったY部長は、否定的な言動が多かったネットワークがよいネットワークに変わっていきつつあることを実感しているので、「認める」ことにも取り組み、自分の思い描いたフューチャーパーフェクトに向けて、これからも小さいステップアップに取り組んでいきたいとの思いを語ってくれました。

最後の記念写真は、ノーマルバージョンだけでなく、ちょっとお茶目に「体育会系バージョン」も撮ってみました(笑)。

【記念写真 ノーマルバージョン】 【記念写真 体育会系バージョン】
記念写真ノーマルバージョン lab7-07.jpg

今回はSFアーティストクラブメンバー小野友之がレポートしましたぁ。

SFアカデミア
posted by 株式会社ソリューションフォーカス at 11:03| Comment(0) | TrackBack(0) | SFアカデミア便り
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