2015年03月01日

第35号【2-C】 SFアート・ラボ第三弾レポート

SFアート・ラボ第三弾
「子どもがやる気を起こすとき、
子どもの中では『何』が起こっているのか?」
(大塚隆司氏)

今回のSFアート・ラボに参加して感じた事は、目の前にある事実や状況(一般的には問題とされている)を、プラスの眼鏡で“リソース”と見てみる事とその後の展開の「面白さ」でした。

大塚さんには、J-SOL7分科会で“せんせーしょなるず”のメンバーの一人として、「マイナスのリソースをプラスに変えるSF反応」」というテーマで話して頂いています。その時のタイトルを考えるプロセスに於いて、「ゴミ箱に捨てていた」とか「捨てたくなるような」等のフレーズも出ていました。今回も、普通ならばリソースとしてではなく単なるマイナスの要素にしか思えない、まさに「捨てたくなる」状況・事実・「コト」を、見事にプラスのリソースに変化していったご自身の体験を沢山紹介して頂きました。
(失敗談もいくつか紹介して下さったことで、大塚さんにより親近感がわきました!)

大塚隆司氏SFアート・ラボにて
SFアート・ラボ第三弾プログラム
【第一部】子供のリソースを活かす(事例紹介をしながら)
【第二部】リソースを見つけるワーク
【第一部】子供のリソースを活かす
「子供がやる気を出す時」=自分のリソースが活かされている時
その「リソース」とは、長所(プラス)のリソースも短所(マイナス)と思われているリソースも含めての事です。
大塚さんは、9割は子供が好きなこと・自信があること・得意なこと(プラスのリソース)を活かすけれど、残りの1割である子供が嫌いなこと・苦手なこと(マイナスのリソース)が出来た時に、子こどもは劇的に変化するそうです。
地球の資源に例えると
ダイヤモンド・金・銀 ⇒如何にも価値ある資源
⇒一見役に立たない資源
⇒ 創造 ⇒ 素晴らしいもの(陶器など)にもなる
“子供の資源もマイナスと見えるものが宝物になる可能性を秘めている”
“大人に求められる事は、子どものリソースを見つけ活かすこと”
《事例1》出来た事を活かす
家庭教師先のお子さんの希望でお母さんも一緒にアイススケートに行った時のこと。
アイススケート初体験のお子さんは、当然のことながら何回も転ぶ。
お母さん:「転ばないようにするには、〜〜〜」・・転ぶことを見てそれを指摘
⇒何回言われても、滑れるように中々ならない
大塚さん:「一人で立ち上がれたね」・・・転んだ事ではなく立てた事を見て伝える
⇒子供は「立ちあがれた」ことで自信がつき、少しずつ滑れるように。
同じ場面をどう見るか、何を伝えるかによって変わってくる
《事例2》趣味を活かす
マンガ好きな女の子。でも勉強は嫌いで集中できない。部屋に沢山あるマンガの中から「お勧めは?」と聞いて、「面白そうだから先生読みたいから、読む間ドリルやっておいてくれる?」と。大塚さんはマンガを読む事で、勉強に集中出来ないお子さんがドリルを最後までやる事ができた。勉強はやれば出来る。どう続けさせられるかがポイント。
《事例3》「反抗的」という思春期の特徴的リソースを活かす
何事にも「A」と言ったら「B」を選択する。しかし「反抗的」というのは大きなリソースで大きなエネルギーを持っている。
「これできないよね?」というと「馬鹿にするな!」と言ってやるエネルギーがある。進路指導でも本心とは違う選択をしようとする事もある。その時に敢えて本心とは逆の事を勧める事で、本当に行きたい方向を自ら選択した。
《事例4》「家族」というリソースを活かす
不登校になり始め(さみだれ登校)の子供、非協力的&批判的な父親、母親と兄弟。
家族全員(本人も含め)で「明日学校に行くか行かないか」を予想して、「○」「×」を書いた紙を箱に入れる。翌日の夜結果を確認して、表に点数を書き入れる。ここで面白いのが投票結果の点数は「行った」「行かない」ではなく、それぞれの予想が「当っていたか」「当っていなかったか」で点数が入る。一週間の点数合計で、トップの人には好きなオカズをリクエスト出来る権利がもらえるなどのトップ賞がある。本人も含めてゲーム感覚で楽しく参加する事が出来、家族の雰囲気が明るくなった。
批判的な父親は「お前が絶対に行ける訳がない」と毎日「×」を投票するが、本人は父親に点数が入らないようにする為に、学校に行くという行動に出た。これは、批判的な父親というマイナスのリソースが、見事に活かされた話し。
家庭の中でブラックBOXになりがちな「不登校」という事が、オープンに扱えるようになるツールとのこと。 テーマは色々と工夫できるのが面白い。例えば「宿題をやる」「早く寝る「お風呂に入る」
【第二部】リソースを見つけるワーク
1)家族のリソース「家族のバランス」
家族の繋がりのバランスを見るシートを作成する事で、家族のリソースを見つけることが出来る
記入例 (記入例1)
母と本人の繋がり強すぎるので、この関係を少し弱くする。その為に全ての家族と普通の関係を持っている次女をリソースとして使う。
大塚さんがお母さんにリクエストした事は、次女を明るく元気にしてもらうこと。それによって、家族の雰囲気も明るくなり、次女と不登校だった本人(長男)の関係が強まって、学校に行くようになった。
不登校の子は、普段平坦な生活を送っている事が多いので、少しだけ楽しい時間を作ると変化の切っ掛けになるそうです。
(記入例2)
父・祖母(今は他界)VS母・長男・次男(本人)という二つのチームに分かれて対立関係にある。お母さんの理想は、父も自分達と同じチームに入る事。父と母の関係を強くする為に、二人で出来る小さな行動(買い物とか)をみつけて実行。父と次男(本人)も一緒に行動するようになっていった。
《ポイント》
*バランスを変えると現象は変わる
*問題を何とかするのではなく、他の家族のリソースを活かす
*世代間(兄弟・夫婦・父と母)の繋がりを強くする

二人暮らしの場合などは、ペットも家族として見ていくとリソースになるそうです。
実際に参加者も自分の家族のバランスシートを作成してみました。

2)リソースを見つけるワーク
ADHD・識字障害ディスレクシアの中学2年生の男の子が不登校になった事例を使って、そのストーリーからリソースを見つけるグループワークをしました。
同じストーリーでも、人によってリソースとして見るところが違っていて、それをどう使うかも色々なアイデアが出た事が面白く、大塚氏自身も出てきたリソースやアイデアを面白いと言っておられました。
このワークを通して、リソースを見つける目を養っていく事の重要性を、あらためて感じました。
3)自分の中の「やる気くん」を見つけるワーク
ぬいぐるみに名前をつけてワーク
一人一つのぬいぐるみを選んで、ニックネームをつけました。
ぬいぐるみは、自分の中の「やる気君」のメタファーです。
「『やる気君』の生態を調べよう」というペアワークをしました。
質問シートに従ってお互いに質問して答えていきます。
質問の「やる気君」の部分を其々がつけたニックネームにします。
質問1.『やる気君』の好きなもの・好きな事
(何をされると元気になる?何を言われると嬉しい?)
質問2.『やる気君』の嫌いなもの・嫌いなこと
(何をされると嫌になる?何を言われるのが嫌い?)
質問3.『やる気君』の好きな人は?
(どんな人と一緒にいると元気になる?どんな人と一緒にいるのが好き?)
質問4.『やる気君』の嫌いな人は?
(どんな人と一緒にいると元気がなくなる?
どんな人と一緒にいるのが嫌い?)
質問5.『やる気君』を元気にする為に出来る事は何ですか?
(『やる気君』が周りの人にしてもらいたい事は何ですか?)

これは「『やる気君』の取り扱い説明書」の様なものです。
ぬいぐるみをメタファーとして使う事で、自分の中のブロックを外して話す事が出来ました。又、自分の中にある『やる気スイッチ』を主観的・客観的の両面で見る事が出来たように思いました。とっても面白いワークでした。

事例を使っての「リソース探し」のディスカッションや幾つかのワークの体験など、“子どものやる気”だけでなく、大人の社会や組織の中でも使える要素や学び・気付きが満載の3時間でした。「個人」のリソースだけでなく、「組織」のリソースもどう活かしていくかという事にも繋がる内容だと思いました。

大塚隆司氏SFアート・ラボにて 記入例
SFアカデミア by 藤沢さつき
posted by 株式会社ソリューションフォーカス at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | SFアカデミア便り
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