2015年01月01日

第33号【3】 SFアート・ラボ第二弾 レポート

SFアート・ラボ第二弾
「続・主人公はパートスタッフ」(星野浩一氏)
〜〜上司がいなくても活性化する組織の作り方〜〜 レポート

12月21日に京都で開催したSFアート・ラボ第二弾には、年末の日曜にも関わらず、様々なご職業の方がご参加くださいました。会社員・地方公務員・小学校教員からコンサルタント・コーチ・看護師・心理士・社会保険労務士などの専門職の方まで幅広く、サブタイトルの“上司がいなくても活性化する組織の作り方”やJ-SOL7分科会でも大好評だった星野さんへの関心の高さが伺えました。

J-SOLで発表する星野さん
J-SOL7の分科会で、星野さんの分科会に参加された方から絶賛された内容を、今回はさらにバージョンアップしてご発表くださいました。
星野さんは、大手流通業界のカルチャースクールで、2店舗兼任のマネージャーをされています。
星野さん以外の社員は、各店舗に一人ずついるだけで、後は全てパートスタッフという職場構成です。
そのような職場を如何にして「上司がいなくても活性化する組織」にしたのか、二つのツールをご紹介頂きながら、現場での事例をお話頂きました。冒頭に話された事で印象に深かったのが、「パートスタッフも、“作業”ではなく“仕事”をしている」という言葉です。
ホワイトボードで準備
ホワイトボードで準備
星野さんといえば、「紙一枚」で色々なことをマネジメントしていくスペシャリストですが、J-SOL7分科会に参加された方はご存知の通り、パワーポイントではなくホワイトボード1枚に、手書きで全てのポイントを纏められる事でも、そのお人柄がにじみ出ていらっしゃいます。
今回は少しだけ投影資料も使いましたが、スタート前に
一生懸命準備されていました。
SFアート・ラボ第二弾プログラム
【第一部】相手を知ることから始めよう!!
〜〜「仕事の輪」のシートで相手の価値観を知る〜〜
【第二部】交換日記日報を使ったマネジメント
【第一部】相手を知ることから始めよう!!
最初に、
「職場・仕事の仲間で一人良く知っている人を思い浮かべてください。これからする6つの質問にYESだったら挙手してください」という投げかけがありました。
Q1)その人の氏名を漢字で書けますか?
Q2)その人の家族構成を知っていますか?
Q3)その人の趣味を知っていますか?
Q4)その人の仲が良い人を知っていますか?
Q5)その人の残業時間を知っていますか?
Q6)その人の睡眠時間がどれ位か知っていますか?
読者の皆さんも、是非一人思い浮かべてご自身に問いかけてみてください。幾つYESになりましたか?
シート「仕事の輪」
そして、部下の価値観を知っているとよりコミュニケーションが取れるという事で、星野さんが日頃部下との面談で使っているのが、「仕事の輪」という一枚のシートです。
「人生の輪」というタイトルで使用される事もあるそうですが、接客業にそった8つの項目にしています。項目は、給料・事務・接客・人間関係・創作活動・健康・余暇・就業時間。ユニークだと思う項目が創作活動で、「自分で仕事を考えて活動しているか」」という意味だそうです。
SFのスケーリングとも似ていて、中心が「0」・輪の外側が「10」で、各項目の満足度はどうかを、パートスタッフの方全員に自己チェックしてもらい、それを元に面談をされています。
このシートと“マズローの欲求5段階説”の考え方を組み合わせることで、部下の何処を承認して伸ばしていけばよいのかという事が見えてくるそうです。
面談では、パートさんに質問をしていきます。
最初の質問は、
Q)ここから気付いたことは?
Q)この輪を見て日々自分が思っている事との違いは?
次の質問がSF的質問です。例えば
Q)10点の状態は?
Q)この項目を1点あげるには?
Q)10点を想像した自分から、今の自分にアドバイスはありますか?

会話の再現

会話の再現

(例)
最初の質問によって、給料の満足度が低くて面談でもその事に拘りが強いが、接客や事務の満足度は高いスタッフの場合。なかなか要望には答えてあげられない給料の事を扱うのではなく、その人の強みや満足度が高い部分にOKメッセージを伝えて、上記のSF質問をしていく事で、本人も満足していない部分への拘りを離れて、自分の強みを活かしていく方向に変わっていくようです。
J-SOL7分科会でもお馴染の「ロールちゃん」を登場させて、パートスタッフさんとの会話を再現してくれました。
参加者も実際に「仕事の輪」のシートにチェックを入れて互いにシェアーをしました。
【第二部】交換日記日報を使ったマネジメント
星野さんの「交換日記日報」は、J-SOL7以降沢山の方が参考にして取り入れています。
問題ではなく解決
この「交換日記日報」の考え方の元となっているのが、ソリューションフォーカスの考え方の基本である「“問題”ではなく“解決”に焦点をあてる」です。
シートは、勤務始めに「今日の自分の予定」を簡単に書きいれて、
シート2
仕事終了時に「今日の出来事」「あなたが出来る小さな一歩」「お客様の声」を書いて提出します。記入合計時間は15分位。その中でユニークな部分は、「あなたが出来る小さな一歩」の欄に(実際にやらなくてもOK)と書いてあるところ。やらなくてはならないと、30日で30個になってしまい、負担感も多く書けなくなってしまいます。この項目で大切なのは、“自分事”にしてもらう事。
《ポイント》
考える力をつけてもらう為
自分だったらどうするか(悪口のままでは成長しない)
そして、星野さんは毎日20人分のシートにコメントを書く事が、自分自身も楽しい仕事になっているそうです。一カ月に一回、この日報を見ながら一人一人と面談をして、実際にやってみる事を決め、やったことの振り返りを行っているそうです。
日報効果は、人周りの《PDSサイクル》になっていること
1.交換日記日報→計画(Plan)
2.SF質問→行動(Do)
3.紙1枚の型 →振り返り(See)
日々小さな一歩を考える
→行動してみる
→成長する
上司にとっても、コメントする力がついてくるとの事でした。こちら側がどれだけ「良かった事をみつけてあげられるか」が、毎日日報を書いてくれることにも繋がっていくとの事でした。
パートスタッフさんは、この交換日記日報をどの様に思っているかというと、
「星野さんと交換日記をしているみたいで懐かしい」
「交換日記日報では、直接言えない事も書けるのでストレス解消にもなる」
ワークの様子
という風にも書いてくれているそうです。
参加者も「交換日記日報」シートに書いたのち、二人でコメントを書き合ってみました。
「交換日記日報」の現在の内容も、色々試しながらこの型になったとの事ですが、現在も更にバーションアップを試みているそうです。
参加者全員が「え〜?!信じられない」と驚いた事があります。
かつての星野さん
星野さんの発表
  • 部下に頼めない → パートから仕事を奪ってしまう
  • 「何で出来ないんだ!」と怒る
  • 結果部下が思うように動いてくれない
  • 家に仕事を持ち帰り、夜中の2時まで残業をする毎日
yajirushi.png
現在の星野さん
  • パートさんに「何でもやっていいよ」と、現場の事は殆ど任せている
  • 自分の主な仕事は、日報のコメントと面談
  • 自分の残業は月に10時間位(他の二人の社員も二人で4時間位)

「それで成果はどうなの?」と思われる方も多いかと推測しますが、これがまた凄い!上述のようにご自分と社員二人の残業時間の大幅な縮小や、離職者の激減だけでも費用対効果は大きいなものになっています。
それ以外に、お客様がパートスタッフの「ファン」になっているケースもあり、接客覆面調査でも、素晴らしい成果に繋がっています。

そして、「パートスタッフが主人公になる3つの力」とは、
パートスタッフが主人公になる 3つの力
1 理想が実現した状態をパート一人一人が想像する力 
→フューチャーパーフェクト
2 自分が出来ている事を受容する力
→OKメッセージ
3 小さな一歩を考える力 
→スモールステップ
私が、星野さんの言われた事でとても強く響いた事の一つは、 「自分に出来る一歩はいくらでもある」という言葉でした。マネージャーである星野さんのその姿勢こそが、パートスタッフにも届いて、一人一人がスモールステップを考えて行動しているように感じました。
参加者と記念写真
ある参加者の方が感想で「ある意味マネージャーらしくないマネージャーでいらっしゃるが、“これぞホストリーダーシップの極意だ!”と思ってしまいます。星野さんみたいなマネージャーも“格好いい!”」と言われていました。
まったくもって同感!です。
星野さん、有難うございました!
SFアカデミア by 藤沢さつき
posted by 株式会社ソリューションフォーカス at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | SFアカデミア便り
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