2014年08月01日

第28号【1-A】 J-SOL7で得たもの

J-SOL7で得たもの
青木安輝

J-SOL7(第7回日本ソリューションフォーカス活用事例共有大会)が終了してから3週間たったところで、参加者の皆さんにメールによるアンケートを実施しました。3週間というタイミングと質問の内容が「フォローアップ」として機能したようで、「アンケートに回答することが楽しかった」「自分にとって何がどう意味があったのかを確認することができて良かった」という声が数多く寄せられました。主催者としても皆様がJ-SOLのどのようなところに学びの材料を見つけているのかを知ることができました。ご回答をお寄せくださった皆様に深く感謝いたします。

質問の内容と、いただいた回答から読みとった私の考察を少しだけレポートさせていただきます。まだJ-SOLに参加されたことのない方は、J-SOLがどのような場なのかを垣間見ていただくことができると思います。

<J-SOL7アンケート:大会終了後3週間目に発信>

質問1 特別講演、分科会、オープンスペース、その他J-SOL7の内容の中で特に印象に残ったこと、人、エピソードは何ですか?・・・と、聞かれてすぐに思い浮かぶことを3つ教えてください。
質問2 J-SOL7に参加してから、使うようになった言葉、採用した思考パターン、使わなくなった表現、前とは違う表現をするようになったこと等があれば、教えてください。
質問3 大会テーマの「活かし合う力」という表現や考え方を意識するようになった場面はありますか?
質問4 J-SOL参加後に周囲の人や起こることの見え方が変わった点はありますか?
質問5 J-SOL参加後に自分自身や自分がやってきたことに対するとらえ方が変わってきたことがあるとしたら、どんなことでしょうか?
質問6 J-SOL7に参加してもっとも良かったことは何ですか?
質問7 最終日に“Solution Reminder”カードに書いたことはその後意識していますか?そして役に 立っていますか?「はい」の場合、どのように?
質問8 来年のJ-SOLに参加したら、ご自身(のチーム)の事例を発表したいと思いますか?「はい」の方は、どのような内容にしたいか教えてください。
質問9 プレセミナーにご参加いただいた方は、プレセミナーの感想、ご意見等ございましたら、お書きください。
質問10 今後のJ-SOLに関するご意見、ご要望等ぜひ自由にお書きください。
<参加者同士のつながりと学び合い> (注:文中の名前はすべて仮名です)

今大会のテーマは「活かし合う力を高める」でしたが、リピーター同士のつながりにおいても、初対面同士の新鮮な出会いによっても活力が高まる様子が数多く見受けられました。「人は人に接することで人になる」というアフリカの諺があるそうですが、アンケートの中では誰々が言ったセリフが印象深かったとか、誰々が仲間のためにそこまでする姿勢に感銘を受けた等、SFの理論やスキルもさることながら、生き方や取り組む姿勢で影響し合うという形の学び合いに意味があることが強く印象づけられます。J-SOLのように多種多様なソリューショニストが集まる場の効用はまさにそこにあります!

磐田さんは、落ち込んでいる時は「フューチャーパーフェクト」ではなく“フューチャースモール”がちょうどいいという話を昨年のJ-SOLで近藤さんに伝えて共鳴し合ったそうです。そして今年再会すると、近藤さんの会社でもその言葉が使われて機能したと聞いて、うれしかったそうです。1年おきに旧知のJ-SOLリピーター同士が再会して、お互いに与えたり、受けとったりした影響を確認することで、高め合っている実感が湧くようです。

初参加の野上さんは、同じく初参加の郷田さんと出会いました。野上さんは郷田さんの「良いこと日記」の素晴らしさに目を見張り、郷田さんは野上さんの「交換日記日報」という職場でのコミュニケーションツールに関心を持ちました。J-SOL後も2人の交流は続き、野上さんはツールの使い方を助言することでひらめくことがあったり、逆に郷田さん独自のツール活用法を聞くことで、「そんな使い方もできるのか!」と新鮮な発見があったようです。「教えることは2度目の学び(“To teach is to learn twice.”)」という格言もありますが、分かち合いの精神はJ-SOLの基本精神として重要な部分です。

<布山英士さんの特別講演から学んだこと>

日本人の企業経営者が特別講演をするのは、J-SOL史上初めてのことでした。J-SOL1でも事例提供をしてくださった布山さんですが、今回は藤森工業株式会社(ZACROS)の代表取締役として、「“SF inside”でより良い会社づく りを目指して」と題した講演でご自身のSF観とその実践の様子を披露していただきました。社員とのコミュニケーションでいかに「快−快」関係をつくることを重視しているか、そしてその結果信頼関係が強化されると、行動や決断を強めにせまる“SF恫喝”も可能になる等、大変興味深い話題を提供してくださいました。社員がA案を出せば、「B案の方がいいんじゃないの?」とあえて想いの強さを試すような“批判的”に見える対応をすることも、信頼関係の上で為されるので、最終的にはより力強い前向きなエネルギーを生み出すようです。

信頼関係をつくると言葉で言うのは簡単ですが、「考えを整理する時は積極的に部下と会話をする」「用事が有る時は社長から部下の席へ出向く」「プライベートでは一切仕事の話をしない」「褒め言葉/ねぎらい言葉は皆の前で」「新入社員教育には社長も参画する」等、5つの原則を日頃から徹底するという布山さんの不断の努力の賜物であることは注目すべき点です。

講演中に動画でZACROS社100周年記念イベントが社員のイニシャチブでとても高いエネルギーで開催された様子を見せていただいたことや、問題志向という用語は使わずに、FF (Fact Focus)という独自の用語を創り出し、ものづくりにおける事実直視の姿勢も尊重しつつソリューションフォーカスとうまく使いわけている様子に感銘を受けたという方も多かったです。講演のDVDが8月中に販売開始されますので、興味ある方はぜひご購入ください。

<ソリューショニスト語録>

特別講演、分科会、オープンスペース、フリータイム(休憩)、懇親会等、参加者同士が触れ合う機会は様々な形でありますが、その中で自分が刺激を受けた言葉、その結果インスパイアされて自分の中に湧いてきた言葉がアンケートに記載されていたので、ご紹介したいと思います。

「SFを知らない人にも、じつはSFの“種”を持っている人は多い。ちょっとした“水やり”と“新たな種まき”をすることで人や組織は変わる。」

「人の良いところは、見たいという人にだけ見える。」

「答えは一つでなくてもいいんじゃないの。」

「潜在化している経験知はポジティブな雰囲気の中で引き出される。」

「Not-knowing… やはり解決は本人が知っている。」

「『無理かも・・・』と思ったら『でも、できるかも!』と言ってみる。」

「自分をあきらめない・自分に駄目出ししない・自分を信じる。この3つを意識すると周りの人にもできる気がするから不思議!ネガティブな考えになっても、まずその状態にOKを出せる。」

「コンプリメントは一言で言うと相手を認める事=OKメッセージ」

「『人間はポジティブ思考が得意』のワークを体験して、部下のネガティブな発想を 以前よりも受け入れられるようになった。そして、ネガティブの発想の奥にあるものを探してみてみたいと思うようになった。」

「相手の発言に対する返答の冒頭に『でも』という言葉を付けないようにする。」

「できない理由を考える前に、(100点が取れなくても)できる方法を考える。」

「自身の知識量の豊富さを背景に、他者を論破している場面を見ると、『活かし合う力』を引き出せる場を作りたいと強く思う。」

「仲間のために!」

「一人よりもチームでの力が、断然すごい。お互い活かし合って、お互いの可能性が広がる。これからもお互いの成長を信じて、どんな状況でもチームで取り組んでいこうと思う。」

「自分の苦手なことが得意な人、自分にないものを持っている人、自分と違う発想の人と接する時に、以前は、不安になったり落ち込んだりすることがありましたが、お互いが得意な事をすればいい、新しい発想が得られて嬉しい、と考えるようになりました。」

「隠れた才能を探すようになった。」

「自分にとって意味のある、今必要な出来事やご縁を感じるようになった。」

「『あの人がSF的思考ができたらなあ』と思うようになりました。」

「相手に合わせて一緒に悪く言う事が無くなった(考えるようになった)。」

「身近な人にSFの“種”の持ち主がいないか、じっくり人間観察するようになりました(笑)。」

「人の見かたが優しくなります。行動力が高まります。人の刺激ですね。」

「世の中で起きている事象に『今は』という言葉を付けて考えられるようになりました。以前から思っていたことなのですが、より強く思えるようになりました。特に上手くいかないときに考えます。」

「これまで取り組んできたこと、起きた出来事が、まぎれもなく今の自分を導いてくれたんだと思えて、これまでのことがキラキラ輝いてかけがいのないことに思える。」

「視点を変えてみたら、『全部自分のプラスになっている!』と納得する事がたくさんみつかりました。」

「参加者の雰囲気が素晴らしい。特に壁FBにて多くの方がみんなの事をみているんだなぁと強く感じました。人間が本来持っているリソースを認め合っている雰囲気です。これは本当に素晴らしいと感じました。」

「いろいろな立場、業界の方々が試行錯誤して取り組んでいる様子が分かった。」

「どうしても結論を早く求められる状況の中、スモールステップを意識して、焦らないようにしています。だって、他の企業の事例を聞いても時間はかかっておられるのだからと自分に言い聞かせています。」

「自分と同じ様に悩み努力している人たちに出会えた!」

「『次、こんなことにチャレンジしてみよう』『これを仕事の中で使ってみよう』ということが増えました!僕が一番辛かった時というのは、『次やってみよう』という ことがないことでした。次に何もやることがない、やれそうなことがないという  状態が、一番辛かったので、僕にとっては、チャレンジしてみたいことが増えるのは、本当にありがたいことです。心から感謝しています。」

こういう言葉が並んでいるのを見ると、初心に戻れる気がします。J-SOLでいろいろな方と触れ合うと、あらためて基本的に大事なことに立ち返ることが多いです。何を知っているかではなく、何をするか。何をしたと思っているかではなく、何が起きたか。実際の体験談に数多く触れることによって、生きた情報が増えます。学び合いの場は、単なる情報交換の場ではなくて、生きた人間から刺激を受けるための場だとあらためて思います。文字を読むだけでは頭を通り過ぎていくだけの情報が、生身の経験者から語られるのを直接聞くと、心に残ります。IT技術の発展で情報は氾濫していますが、人が人から学ぶことの重要さはかえって増しているように思います。J-SOLがそのような生命力あふれる学び合いの場であり続けるよう、皆様のご意見を参考にさせていただき、主催者としての努力を続けていきたいと思います。

J-SOL8は、2015年6月20-21日に東京都内で開催予定です。ぜひ皆さんとお会いしたいと思います。スケジュール調整のほど、今からどうぞよろしくお願い申し上げます。

J-SOL7 DVD 8月上旬発売予定!
特別講演に加え、企業内SF・公務員の方々・ワークショップなど多様なSF活用事例 を発表していただきました。詳細は号外でお届けいたします。どうぞお楽しみに!

J-SOL by 青木安輝
posted by 株式会社ソリューションフォーカス at 13:18| Comment(0) | TrackBack(0) | J-SOL
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